温泉街にある小さな川。その先には、大きな青い海が広がっている。

僕は一人、橋の上にもたれながら、ぼぉーっと、川を眺める。
「ごぉー」という激しい音を立てて、流れゆく川。迫力があるし、かっこいい。「やっぱり、このくらいの迫力がなきゃ」流れゆく水たちが鼻高々に笑っているようだ。

ふと、川のすみっこのほうに目を落とす。黄色や赤の落ち葉が、水面にたくさんたくさん舞っている。流れゆこうとする水は、その落ち葉たちに遮られ、思うようにはいかないようだ。この水たち、なんだかちょっとだらしない。「チラチラチラ」と、葉と葉の間を、ゆっくり流れゆく水の姿。決して、葉にさからわず、一緒に仲良く遊んでいるよう。時折、太陽に照らされて、「キラリ」と光る。僕は、その水と落ち葉が奏でる独特な世界に、すっかり入りこんでしまったようだ。

隣りの水は勢いがあってすてきだけど、すぐに流れて遠くへ行ってしまう。
ちょっと寂しいなぁ。

でも、落ち葉と一緒の君たちは「チラチラチラ」と、いつまでも僕のそばにいてくれる。

ありがとう

ありがとう

僕はうれしいよ。

おかげで、葉と葉の間を、ゆっくりと静かに流れゆく君たちの姿は、美しいことに気が付いたよ。

僕は、君たちのことが好きになった。

また、どこかで会おうね。

また、どこかで。

テーマ : 自作小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する